【悲話】スーパームーンを見に北谷のビーチへ行ったらカップルに囲まれて瀕死

てぃーだニュース編集部

2016年11月22日 14:00


「11 月14 日は、68 年ぶりのスーパームーン」

へぇ。

原稿を書くために来たカフェで気づけばダラダラとTwitterを見ていたら、そんなつぶやきが目に入った。
いろんなメディアが、この機会に乗っかれと言わんばかりにスーパームーン関連の記事を出している。ひと通り読んだ。こんな調子で毎日進捗ダメです。

ある記事の中で、こんな写真を見つけた。



なにこれー。

写真なのにドキドキしてしまった。
なんなの。もうこれすぐソコじゃん。地球にぶつかるじゃん。なんかもういろいろ奇跡的な感じじゃん。
非日常で神秘的な光景を前にアワアワとこころが沸いた。

これは、見るしか、なーい。



せっかくなので誰かといっしょに見たいけど






「わたし、今日スーパームーン見に行きますよ」アピールツイート。

ひとりで見るのもいいけど、だれかと感動を共有できたほうがきっと楽しい。そう思って昔からの女友人に声をかけたけど、予定があるらしくNGが出た。

他にも誘えそうな友達はいるけど、「今晩いっしょに月を見ませんか?」なんて、ちょっと、いや、だいぶ照れる。異性だったら恥ずかしすぎてもっとムリ///// なんて中学生顔負けの自意識が我ながら煩わしい。


モジモジとしている間に、日が暮れ始めた。
これは、ひとりでお月見フラグ。

その日は宜野湾の大謝名にあるスタバで作業をしていた。月が出る瞬間は見逃してしまったけど、仕事がひと段落したら近くのビーチにぶらっと出かけてひとりでボーっと月を見よう。

おひとり様の覚悟を決めた。


北谷に向かったところから悲劇は始まった



夜 9 時。
原稿執筆がひと段落したので、スタバを出た。

お店の近くにはトロピカルビーチやアラハビーチがあったけど、もう少し遠くに車を飛ばしたい。そう思い、お月見場所は北谷のサンセットビーチにした。

夜の北谷にくるのはずいぶん久しぶり。
わくわくした気持ちで美浜アメリカンビレッジに到着、車を降りて絶句した。




あれ、今日って 12 月 25 日?

すでにクリスマス仕様となったアメリカンビレッジ内は、手をつなぎ肩を寄せ合いなんなら抱き合っているカップルたちの巣窟だった。

そんな異次元に迷い込んだのは、お腹がすいて途中のローソンで購入した塩やきそばを片手に下げたぼっちの私(27 歳独身)。チンしてもらったホカホカ塩やきそばの香しい匂いがリア充ビレッジに放たれる。非リアのテロリズム。

キラキライルミネーションゾーンを足早に離れ、サンセットビーチへと向かった。









残念ながらこちらもアウェイ。
異次元っつーかもはや魔界。

暗いのでシルエットと声でしか判断できなかったけど、とりあえず私がカップルに囲まれている状況なのは分かった。カップルに囲まれてひとりで塩やきそば啜ってる状況なのはよく分かった。

同情してくれたのか塩やきそばが欲しかったのか、私に寄ってきたノラにゃんにゃんがいた。嬉しくて麺を 1 本ぴらぴらしたら猛ダッシュで逃げられた。孤独感増した。

切ない気持ちを抱えて塩やきそばを食べていたら、鷹の爪をガリッと噛んで口の中にピリリッと辛味が広がった。涙をにじませて悶える私。孤独感エンドレスマシマシ。


いや、待て。私はここに何をしにきたんだ。
スーパームーンを見に来たはずではないか。

空を見上げると、キレイな満月。
スーパーかと言われれば「ん、言われてみれば、大きな気が、しないこともな…い?」という感じ。でもいいんだ。いま私のこころを照してくれるのはこのスーパー(仮)ムーンだけ。

スマホを取り出して、何枚かパシャパシャと月の写真を撮る。
月の光で輪郭がボケて、どうもなかなか上手く撮ることができない。

そんな折、聞こえてきたこの会話。




月の輪郭をぼやけさせるのがスマホか涙か判別不能。
そのカップルが月の撮影を終えてSNOWアプリでラブラブと遊び始めたあたりで帰宅を決意した。

後日、こんなツイートが流れてきた。

「次のスーパームーンは、2018 年の元旦!」

はや。
68 年ぶりのつぎは 13ヵ月後ですって。気まぐれ。

次も懲りずにお月見したいと思っている。願わくば、とりあえずだれかと一緒に。



この記事を書いた人
ライター 真崎|ブログ:「真崎ですよ」

 フリーライターの真崎です。
 真面目な取材記事からゆるめのコラム、旅エッセイまでわりといろいろ書きます。
 2016 年 6 月から沖縄の宜野湾市に住んでいます。
 得意な沖縄料理はゴーヤチャンプル、それ以外は作れません。




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