沖縄出身岸本監督の座間味島を舞台にした『こころ、おどる』映画制作発表会

てぃーだニュース編集部

2017年03月01日 11:00



2016年話題になった映画「沖縄を変えた男」や海外で公開予定してる「ハルサーエイカー」の監督・脚本をつとめる沖縄県出身の岸本司監督氏が手がけた座間味島を舞台にした短編『こころ、おどる』。今回長編で映画化されることが決まり、先日制作発表会記者会見が行われました。



『こころ、おどる』ストーリー


座間味村の民宿に外国人夫婦がやってきた。夫のクリストフはスイス人でカメラマン、妻のメグは日系アメリカ人。ふたりの会話は英語、日本語はまったくわからない。民宿のオーナー花城ハナとそこで働く孫の花城雄飛は日本語しか話さない。コトバを理解しなくても次第にハナと仲良くなるメグに対し、宿にも島の環境にも馴染めず不機なクリストフ。固く閉ざした彼の心は海の中で、ある事に気づかされる...



(第 7 回沖縄国際映画祭で上映された短編『こころ、おどる』の予告編動画)


短編『こころ、おどる』は、フィルムツーリズム推進事業短編映画企画(国内部門)一般公募から誕生した作品で、国際的に活躍する沖縄県出身の俳優尚玄(しょうげん)と、沖縄県指定無形文化財に認定された女優吉田妙子(よしだたえこ)が出演。





記者会見には、岸本映画監督、出演する俳優の尚玄氏、吉田妙子さんをはじめ、今回の映画の支援を行う沖縄県文化観光スポーツ部 観光振興課糸数氏、映画のプロモーションを行う株式会社ファンファーレジャパンのプロデューサー神山氏、代表の島袋氏の 6 名より、映画についてのそれぞれの思いと意気込みを語ってくれました。


『こころ、おどる』の監督・脚本をつとめる岸本監督




この物語は『こころ、おどる』の短編を長編化した作品。
沖縄にやってきた仲の悪い夫婦がその土地の食べ物や自然を感じながら、自分たちが解放されて仲良くなっていくという話です。

海外の映画祭に出品したときに、物語自体も評価されたがその土地沖縄のエネルギーを感じていただいた。沖縄のロケーションが世界に魅了され、映画に適したと感じた。

うちなーの精神と世界の関わり方、そういったものを描くには面白なと思いどうしても長編化したかった。

テーマ的に、食べ物や自然を感じ、世界と繋がっていることを再認識する話。例えば、夢を破れた人間がまた新しい希望をつかんでいくという群像劇です。

沖縄の力がうまく出て、そこで生きる人々のパワーアイランドがこの土地にあると思っているのでそれを映画で表現しようと思っている。


花城雄飛(はなしろ ゆうひ)役を演じる俳優の尚玄氏




座間味という小さな島で、僕らの仲間でつくった作品がいろいろな映画祭で評価されて、長編としてまた新たな作品が生み出されるのは本島に光栄。

ショートショートフィルムフェスティバルで『こころ、おどる 』で優秀賞を受賞したとき、岸本監督の隣にいたのですが沖縄の作品が日本だけじゃなく海外で評価されたとき、すごく感動した。

岸本さんと妙子さんと一緒にまた映画を見てくれた人が沖縄に訪れたくなるような作品を作っていきたい。


花城ハナ役を演じる俳優の吉田妙子さん




この作品はとっても面白いと思っていたので、長編になったときとても嬉しかった。

映画では、言葉は通じないけど心が通っているところがとっても面白く、そして沖縄の自然や食文化などを『こころ、おどる 』という映画を通して、たくさんの方に知ってほしい。

座間味島はとても悲惨な島だったのですが、実際に行ってみると悲惨な島ではなくとても輝かしく素敵な島なんです。心の悩みが消える島だと思っています。


『こころ、おどる』の長編について


民宿を舞台に今回は、3 つのエピソードになった長編映画。テーマのひとつが「つながり」ということで、コミュニケーションが断絶されてきている世界が多い中で、沖縄だからこそ少しのことで繋がりができる場所という思いのある作品。

短編と同じく世界が恋する海として有名な慶良間諸島国立公園座間味村で、島の人を取り込む群像劇になっている。キャストは完成した際に発表されるということでお楽しみ。





沖縄県文化観光スポーツ部 観光振興課糸数氏


今回の映画は、沖縄の成長そのものの発展につながると考えています。
ロケ地として沖縄・座間味島ということで、島の美しい自然、沖縄料理と食を通じた沖縄の情報発信に繋がると考えています。




(株)ファンファーレジャパン プロデューサー神山氏


個人的に岸本監督が好きで、勝手にファンになりいつか一緒に仕事をしたいと思っていた。別件で仕事で一緒になることがあり、意気投合。一緒に映画を作りたいという話から、岸本監督から動き出そうということで始まったことがきっかけ。

短編の『こころ、おどる』の素晴らしさに感動し、沖縄県でこんな素晴らしい映画をもっと多くの人に見てもらいたいと思い、そこで長編化しようということで今回の企画を提案し観光コンベンションビューローさんの支援をいただき、現実の映画にしようという思いで沖縄だけじゃなく、東京、世界を目指しながら今までにないプロモーションを行っていきます。




(株)ファンファーレジャパン 代表取締役 島袋氏


岸本監督、吉田さん、尚玄さん、そしてすばらしい制作チームとキャストに恵まれました。プロデュースの立場から、今回沖縄一の映画が出来ると思っています。その気持ちは世界へ、最終的にはカンヌ、ベルリンへ行こうと思っています。(笑)

このチームでさらに、カンヌから沖縄に、ベルリンから沖縄にお客さんを呼べる作品のプロモーションを行っていきたい。


岸本監督の印象についての質問に尚玄さんと、妙子さんが笑顔で答えてくれました。





尚玄氏|岸本監督は、全体のストーリを構築して統括していますが、俳優として僕の意見を入れてくれますし、切磋琢磨できる関係性になっています。
台本にとらわれない自由さもあり、現場主義で現場で生まれてくるのをどんどん出してくれるので、台本以上のものができます。

沖縄の監督、沖縄の俳優でこういう関係が気づけてるのは幸せ。


妙子さん|力まないで弟かなと思うくらい。なのでとても演技がやりやすい。
何かあるときは言ってくださいと伝えています(笑)






世界が恋する海として有名な慶良間諸島国立公園座間味村にて2月22日より撮影がスタートしました。撮影は約 2 週間というタイトな期間で行われるそうです。今回はキャストを含む約 45 名のメンバーということで、裏方にもフォーカスして、情報発信されるので公開までの様子を知ることが出来るのも魅力。来年の夏が公開予定ということで楽しみです。


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