沖縄統合医療学院・竹藤 登先生に聞く「社会福祉士」のおしごと事情 ～福祉業界への転職・キャリアアップを考える人必見！～

社会福祉士というのは、簡単にいうと「社会的に困っている人たちを支援するお仕事」です。困っている人たちの相談にのり、必要な場所や支援など“社会”につないでいくのが主な役割ですね。

暮らしに困難を抱えた高齢者や児童、障がい者、生活困窮者、あとは刑務所を出た人たちなんかもそう。関わる分野はすご～く幅広いです。

沖縄は低所得者が多かったり児童の貧困も深刻だったりと、“困っている人”がたくさんいるので、優秀な社会福祉士がたくさん必要なんですよ。

資格がなくても福祉関係の窓口業務などに就くことはできますが、資格がある・なしで、関われる業務の幅や待遇なども大きく違ってきますね。

今は資格を条件にしている相談業務も多いですし、お給料の話だと、日給3,000円ほど違ったりする職場もありますから。福祉の現場にいる人たちは、「資格がないと転職が難しい」ということをよく分かっていると思います。

いろんな人がいますからね。真剣にキャリアアップを考える福祉職の人もいれば、「福祉業界なら食いっぱぐれないだろう！」と考える他業種の人ももちろんいます(笑)。

いろんな業界からの転職はどんどんウェルカムなんですよ。福祉以外の社会経験やスキルは、福祉の現場でも必ず役に立ちますから。

でも、資格はあくまでも「社会福祉の世界に入るパスポート」みたいなものです。資格を得て、その先で何がしたいか。その思いがないと、社会福祉士として絶対続かないんですよね。精神的にもかなり大変な仕事なので。

沖統に入ってくる段階では、まだ先を考えていない人も多いですよ。だから、最初の授業で「自分がどこに行きたいのか、まず目標を持ちなさい」という話をするんです。とりあえず資格取れたらいいよ～って人は、試験落ちるよ～って(笑)。

下は大卒すぐの22～23歳くらいから、上は、最高だと68歳かな？ どの年齢が多いというより、本当に幅広い年齢の方が通っていますね。

ないです！社会福祉士の仕事って定年があってないようなもので、65歳や70歳から始める人もいるんです。

「高齢だと国家試験に合格できないんじゃ……」という問い合わせも時々ありますが、年齢関係なく、勉強するかしないかだけです(笑)。

ちなみに、社会人だと「専門実践教育訓練給付金」を利用している人も多いですよ。

働く人のキャリアアップ支援として、「厚生労働大臣が指定する教育訓練講座」受講費用の一部について、ハローワークから給付金の支給を受けられる制度があるんです。対象者は入学前に手続きすると給付が受けられます。

給付金額は最大56万円。社会福祉学科の学費が1年で85～89万円なので、実質30万ほどで通えてしまう計算ですね。

覚える範囲がとっても広いんです。1年間で全部覚えるなんてほぼ不可能な量ですよ。

テクニックが、あるんです。（ﾆｺｯ）

国試対策で重要なことは、問題の“解き方”の部分なんです。どれだけ知識を暗記で詰め込んでも、落ちる人は落ちる。逆に、全部覚えなくても「解き方のポイント」をきちっと押さえられたら合格できるんですよ。

そうそう。だから独学や通信学習で合格できる人って少ないんですよ。

僕の授業では…………って、コレばらしちゃうとなぁ。。。(笑)

卒業すると、大体の人が勉強する気をなくしちゃうんですね(笑)。
卒業後も引き続き“通って学べる環境”を作ることで、モチベーションが落ちないようサポートしています。

学生を合格させるのが、僕に求められるベースラインですからね(笑)。

ただ、国試のための勉強はもちろんですが、僕の授業では特に「人間育成」に力を入れています。社会福祉って、やっぱり大事なのは“人間”なんですよ。

利用者のことを第一に考えられる“福祉の人間”に育てる、というのかな。

基本的な知識や実践スキルなどを教える中で、「福祉の考え方」を織り交ぜて伝えていく、というのが僕の授業のポイントです。

「そんなこと、国試に関係ないじゃん！」って最初は戸惑う人もいますが、そんなことを1年間学び続けると意識がガラッと変わるんですよね。
福祉の考え方を身につけておくと現場でも必ず役に立つので、卒業生には後から感謝されたりします(笑)。

それでも、最初は資格を取っただけの素人なので、現場で悩んだり、メンタルをやられる人もいます。なので、そんな卒業生たちを集めてフォローする環境も作っています。

社会福祉の世界は、こういう繫がりがとても大事なんですよ。ひとりじゃできないことも、誰かを頼ることで解決できたりしますから。